生前整理をサービスにしたい。
大事な書類やパスワードだけでなく、家族が判断に困りそうなモノ、写真、日記、思い出の品まで、ちゃんと整理するサポートがしたい。
でも、いざ発信しようとすると、
「生前整理って言葉、重くないかな」
「終活って言うと、まだ早いと思われそう」
「必要なことなのに、人が寄ってこない気がする」
と手が止まることがあります。
今回は、生前整理をサービスにしたいはてなちゃんと、トノエルが、テーマの価値を変えずに、お客様が受け取りやすい言葉へ翻訳する考え方について話していきます。
ぱっと読むための目次
- 生前整理をサービスにしたい。でも、言葉が重い気がする
- ニーズがないのではなく、入口の言葉で止まっているのかも
- 「死の準備」ではなく、家族が困らないための整理
- お客様は「正しい言葉」より「自分に関係ある言葉」に反応する
- 言い換えることは、ごまかすことではない
- トノエルが30代半ばでエンディングノートを作った理由
- 最近、トノエルが「もしもの時の事業マニュアル」を作った話
- お客様の生活に近い問いに分解する
- 「情報整理」だけではなく、モノと思い出の整理も伝える
- 正しい名前と、届く入口は分けて考える
- 誰に、どの入口で届けるか
- 言葉を分解すると、届く形が見えてくる
- 一人で考えると、テーマの価値まで疑ってしまう
- テーマを捨てるのではなく、届く形に整える
- まとめ
生前整理をサービスにしたい。でも、言葉が重い気がする
はてなちゃん:
トノエルさん、私、生前整理をサービスにしたいと思ってるんです。
トノエル:
うん、いいですね。
はてなちゃんがやりたい生前整理って、どんな内容ですか?
はてなちゃん:
書類の整理とか、保険の情報を分かるようにしておくとか。
あと、パスワードやデータの整理もあります。
トノエル:
はいはい。
はてなちゃん:
でも、それだけじゃなくて。
家族が判断に困りそうなモノとか、思い出の品とか、写真とか日記とか。
そういうものも含めて、整理するサービスにしたいんです。
トノエル:
なるほど。
かなり大事なテーマですね。
はてなちゃん:
そう思うんです。
本人にしか分からないものって、家族には判断できないじゃないですか。
トノエル:
そうですね。
「これは大事なの?」「残した方がいいの?」「処分していいの?」って、残された側が迷うものは多いです。
はてなちゃん:
そうなんです。
だから、元気なうちに少しずつ整理しておくサポートができたらいいなと思っていて。
トノエル:
うん。
はてなちゃん:
でも……「生前整理」って言葉を出したとたんに、重く見えないかなって思うんです。
トノエル:
そこですね。
はてなちゃん:
「終活」とか「生前整理」って言うと、まだ早いって思われそうで。
大事なことなのに、人が寄ってこない気がするんです。
トノエル:
その違和感、すごく大事です。
はてなちゃん:
大事ですか?
トノエル:
はい。
テーマを軽く見ているんじゃなくて、ちゃんと届けたいからこそ、
「この言葉のままで届くのかな」
って引っかかっているんだと思います。
ニーズがないのではなく、入口の言葉で止まっているのかも
はてなちゃん:
でも、反応が薄かったら、このテーマ自体にニーズがないのかなって思ってしまいそうです。
トノエル:
そう思いやすいですよね。
でも、ここは分けて考えたいんです。
はてなちゃん:
分ける?
トノエル:
テーマに価値がないのか。
それとも、価値が届く前に、入口の言葉で止まっているのか。
はてなちゃん:
ああ……。
それは違いますね。
トノエル:
全然違います。
生前整理という言葉は、間違っているわけではありません。
内容を正確に表す場面もあります。
はてなちゃん:
はい。
人生の後半を見据えて、持ち物や情報を整理しておくことですもんね。
トノエル:
そう。
残された人が困らないように準備しておく。
とても大切なことです。
はてなちゃん:
でも、最初に見せる言葉としては重いことがある。
トノエル:
そうなんです。
読者が「生前整理」という言葉を見た時に、こちらが思っている通りに受け取ってくれるとは限りません。
はてなちゃん:
「まだ早い」とか。
トノエル:
そう。
「親世代の話かな」
「なんだか暗そう」
「今は考えたくない」
「大事なのは分かるけど、後でいいかな」
となることがあります。
はてなちゃん:
分かります。
必要性はあるけど、ちょっと見たくない感じ。
トノエル:
特に、生前整理や終活は、必要性が高いのに先送りされやすいテーマです。
はてなちゃん:
どうしてですか?
トノエル:
考えるのにエネルギーがいるからです。
死、老後、もしもの時、家族に迷惑をかけるかもしれないこと。
そういう言葉が前に出ると、どうしても身構えます。
はてなちゃん:
たしかに。
「大事だけど、今じゃなくていいかな」になりそうです。
トノエル:
だからこそ、最初の入口でいきなり重たいラベルを置くと、中身の価値まで見てもらえないことがあるんです。
「死の準備」ではなく、家族が困らないための整理
はてなちゃん:
じゃあ、生前整理って言わない方がいいんですか?
トノエル:
言わない方がいい、ではないです。
必要な場面では使っていいです。
はてなちゃん:
はい。
トノエル:
ただ、最初の入口では、別の言葉に翻訳した方が届きやすいことがあります。
はてなちゃん:
翻訳。
トノエル:
たとえば、生前整理を「死の準備」として見せると、遠く感じる人がいます。
はてなちゃん:
はい。
ちょっと構えます。
トノエル:
でも中身を分解すると、かなり日常に近いんです。
はてなちゃん:
日常に近い。
トノエル:
パスワードをまとめておく。
保険の情報を分かるようにしておく。
大事な書類の場所を整理しておく。
家族が困らないように、必要な情報を見える化しておく。
はてなちゃん:
それなら、たしかに今の暮らしの話ですね。
トノエル:
さらに、はてなちゃんが言っていたように、モノもあります。
家族が判断できないもの、思い出の品、写真、日記。
はてなちゃん:
そこも大事なんです。
トノエル:
大事です。
情報整理というと、書類やデータだけに聞こえるかもしれません。
でも実際には、背景を知らないと扱えないモノも含まれます。
はてなちゃん:
本人にしか意味が分からないものってありますよね。
トノエル:
あります。
家族から見るとただのノートでも、本人にとっては大事な記録かもしれない。
写真も、誰が写っているのか分からなければ判断できない。
思い出の品も、残したい理由を本人が伝えていなければ、家族は迷います。
はてなちゃん:
そうなんです。
そこを整理しておくことも、生前整理に含めたいんです。
トノエル:
だったら、入口の言葉はこう考えられます。
生前整理は、
「自分にしか分からない情報やモノを、家族が困らない形に整えておくこと」
でもあるんです。
はてなちゃん:
あ、それはしっくりきます。
死に向けた準備というより、家族が困らないための整理。
トノエル:
そうです。
自分も家族も困らないために、情報・モノ・思い出を整えておく。
そう言うと、少し受け取りやすくなります。
お客様は「正しい言葉」より「自分に関係ある言葉」に反応する
はてなちゃん:
でも、「生前整理」って正しい言葉ではあるじゃないですか。
トノエル:
正しいです。
はてなちゃん:
正しい言葉を使った方が、ちゃんとして見えるのかなとも思ってました。
トノエル:
そこ、迷いますよね。
でも読者は、正しい言葉に反応するとは限らないんです。
はてなちゃん:
そうなんですか?
トノエル:
反応するのは、
「それ、今の私に関係ある」
と思えた時です。
はてなちゃん:
自分ごとになるかどうか。
トノエル:
そう。
たとえば、同じ内容でも、
「生前整理を始めましょう」
と言われるのと、
「家族が困らないように、パスワードや保険の情報をまとめておきませんか?」
と言われるのでは、受け取り方が違いますよね。
はてなちゃん:
全然違います。
後者だと急に、自分の家の話になります。
トノエル:
そうなんです。
「あ、パスワードって自分しか分からないかも」
「保険の書類、どこにあるか家族は知らないな」
「もし入院した時、必要な情報が出せなかったら困るな」
と、具体的な場面が浮かびます。
はてなちゃん:
場面が浮かぶと、必要性が分かりますね。
トノエル:
ここが大事です。
概念のままだと、人は動きにくいんです。
はてなちゃん:
生前整理、終活、書類整理、情報整理。
どれも大事だけど、ちょっと抽象的ですね。
トノエル:
そう。
でも、
パスワードが分からない。
保険の担当者が分からない。
通帳や契約書類の場所が分からない。
写真に写っている人が誰か分からない。
日記をどう扱えばいいか家族が迷う。
はてなちゃん:
そこまで具体的になると、急にリアルです。
トノエル:
お客様はテーマ名ではなく、自分の暮らしとの接点に反応します。
言い換えることは、ごまかすことではない
はてなちゃん:
でも、言い換えると、ちょっとごまかしている感じになりませんか?
トノエル:
それもよくある引っかかりです。
はてなちゃん:
本当は生前整理なのに、別の言い方をしていいのかなって。
トノエル:
いいと思います。
ただし、軽く見せて中身をごまかすのとは違います。
はてなちゃん:
どう違うんですか?
トノエル:
言い換えることは、価値を薄めることではなく、相手が受け取れる形に翻訳することです。
はてなちゃん:
翻訳なんですね。
トノエル:
そう。
たとえば「生前整理講座」と言われると、少し構える人がいるかもしれません。
はてなちゃん:
いますね。
私も身構えるかも。
トノエル:
でも、
「いざという時に困らないための情報整理ワーク」
「家族に伝えておきたい情報をまとめる会」
「パスワード・保険・書類の見える化レッスン」
と言われると、少し入りやすくなりませんか?
はてなちゃん:
なります。
やることが想像しやすいです。
トノエル:
さらにモノの整理まで含めるなら、
「家族が判断に困らないためのモノと情報の整理」
「思い出の品・写真・書類を見える化する整理サポート」
のような入口も考えられます。
はてなちゃん:
ああ、そうすると私がやりたいことに近いです。
トノエル:
やることは大きく変わらなくても、読者の受け取り方は変わります。
はてなちゃん:
本質を変えるんじゃなくて、最初の一歩を踏み出しやすくするんですね。
トノエル:
まさに。
いきなり「人生全体を整理しましょう」と言われると重い。
でも「まず保険の情報を一か所にまとめましょう」ならできそう。
はてなちゃん:
分かります。
トノエル:
いきなり「終活を始めましょう」と言われると遠い。
でも「家族が困らないように、パスワードや写真の扱いを整理しておきませんか」なら、今の話になります。
トノエルが30代半ばでエンディングノートを作った理由
はてなちゃん:
トノエルさん、前にエンディングノートを作ったことがあるって言ってましたよね。
トノエル:
あります。
30代半ばくらいの時ですね。
はてなちゃん:
早いですよね。
その時って、終活を意識していたんですか?
トノエル:
いや、そんなに重たい気持ちではなかったです。
はてなちゃん:
そうなんですか?
トノエル:
うん。
パスワードをまとめておきたいとか、銀行のことを分かるようにしておきたいとか。
あと、これまで住んだ場所の履歴みたいな、必要になるかもしれない情報を整理しておきたかったんです。
はてなちゃん:
それ、終活というより、情報整理ですね。
トノエル:
そうなんです。
名前はエンディングノートなんですけど、実際にやっている中身は、今の生活を分かりやすくする作業でもありました。
はてなちゃん:
たしかに。
自分が困らないためでもあるし、家族が困らないためでもある。
トノエル:
そう。
「人生の終わりを考えましょう」というより、
「必要な情報を一か所にまとめておくと便利だよね」
という感覚に近かったです。
はてなちゃん:
その言い方だと、ぐっと日常に近づきますね。
トノエル:
生前整理も同じです。
高齢になってから考えるもの、親世代だけがやるもの、人生の終わりに向けて覚悟して取り組むもの。
そういう印象だけだと、遠くなります。
はてなちゃん:
でも実際には、30代、40代、50代でも関係ある。
トノエル:
あります。
自分にしか分からない情報やモノがある人なら、年齢に関係なく関係があります。
最近、トノエルが「もしもの時の事業マニュアル」を作った話
はてなちゃん:
そういえば、最近も何かマニュアルを作ったって言ってませんでした?
トノエル:
作りました。
最近、自分にもしものことがあった時に、トノエル校や事業をどうするかをシミュレーションして、マニュアルにしたんです。
はてなちゃん:
事業のもしもマニュアルですね。
トノエル:
はい。
もしもの時には、夫と事務サポートの方に対応してもらおうと思っていて。
そのために、何をどうすればいいかを整理しました。
はてなちゃん:
それ、すごく大事ですね。
トノエル:
私は、もっと早くやっておかなきゃいけなかったと思ったんです。
事業もあるし、トノエル校に関わってくれている人もいるので。
はてなちゃん:
たしかに。
自分だけの話じゃなくなりますもんね。
トノエル:
そうなんです。
でも、この話を起業家の知り合いにしたら、けっこうびっくりされました。
はてなちゃん:
え、そうなんですか?
トノエル:
「そんなことやりたいと思う人いないよ」って。
「変わってるね」って笑われました。
はてなちゃん:
ええ。
でも……分かる気もします。
やった方がいいのは分かるけど、積極的にやりたいかと言われると、後回しにしそうです。
トノエル:
そうなんです。
ここがまさにポイントで。
はてなちゃん:
はい。
トノエル:
必要性はあるんです。
でも、そのままだと多くの人にとっては、重いし、面倒だし、今じゃなくていいものに見える。
はてなちゃん:
まさに生前整理と同じですね。
トノエル:
そう。
「もしもの時の準備をしましょう」と言われると構える。
でも、
「自分が動けない時に、家族や仕事の関係者が困らないように情報をまとめておきませんか」
と言われると、少し現実の話になるんです。
はてなちゃん:
入口の言葉で、自分ごとになるかどうかが変わるんですね。
トノエル:
変わります。
だから、生前整理のサービスも同じです。
必要なことほど、そのまま正面から言うだけでは届かないことがあります。
お客様の生活に近い問いに分解する
はてなちゃん:
じゃあ、発信ではどういうふうに言葉にすればいいんでしょう?
トノエル:
まず、いきなり大きな概念から入らないことです。
はてなちゃん:
大きな概念。
トノエル:
「生前整理をしましょう」
「終活を始めましょう」
だけだと、少し遠い。
はてなちゃん:
はい。
トノエル:
それより、見てくれている人の生活に近い問いにするんです。
はてなちゃん:
たとえば?
トノエル:
「保険証券がどこにあるか、家族は知っていますか?」
「スマホやパソコンのパスワード、自分以外に分かる人はいますか?」
「入院した時に必要な書類を、すぐ出せる状態ですか?」
「親に何かあった時、どの銀行を使っているか分かりますか?」
はてなちゃん:
それはドキッとします。
トノエル:
それから、モノや思い出の品なら、
「家族が見ても判断できない思い出の品、ありませんか?」
「写真に写っている人や場所を、家族は分かりますか?」
「日記や手紙を、将来どう扱ってほしいか決めていますか?」
みたいな入口もあります。
はてなちゃん:
ああ……。
それ、まさに私が扱いたいところです。
トノエル:
これは不安を煽るためではありません。
はてなちゃん:
はい。
トノエル:
相手がすでに持っている小さな不安に、ちゃんと言葉をつけるためです。
はてなちゃん:
「そういえば、うちも分からないかも」って思ってもらう。
トノエル:
そう。
「気になっていたけど、後回しにしていた」
「これなら今やった方がよさそう」
と思ってもらえた時に、テーマは届きます。
「情報整理」だけではなく、モノと思い出の整理も伝える
はてなちゃん:
ただ、「情報整理」って言うと、書類やデータだけに見えませんか?
トノエル:
見える可能性はあります。
だから、はてなちゃんのサービスでは、そこを補足した方がいいです。
はてなちゃん:
どう補足すればいいですか?
トノエル:
たとえば、
「いざという時に困らないための情報整理」
を入口にしつつ、説明の中で、
「書類やパスワードだけでなく、家族が判断に迷いやすいモノ、写真、日記、思い出の品も一緒に整理します」
と伝える。
はてなちゃん:
なるほど。
トノエル:
あるいは、最初から
「家族が困らないためのモノと情報の整理」
として見せてもいいかもしれません。
はてなちゃん:
それなら、書類だけじゃない感じが出ますね。
トノエル:
そうですね。
他にも、
「パスワード・保険・書類・思い出の品を見える化する整理」
「自分にしか分からないモノと情報を、家族に伝わる形に整えるサポート」
のような言い方も考えられます。
はてなちゃん:
なんか、サービスの見え方が変わりますね。
トノエル:
変わります。
「生前整理」と一言で言うと重く見えていたものが、生活の中の具体的な困りごとに接続されます。
はてなちゃん:
私がやりたいことって、生前整理をやめることじゃなくて、受け取ってもらえる形にすることなんですね。
トノエル:
そうです。
テーマを捨てなくていいんです。
入口を整えるんです。
正しい名前と、届く入口は分けて考える
はてなちゃん:
サービス名って、どう考えたらいいんでしょう。
やっぱり「生前整理」って入れた方がいいのか、迷います。
トノエル:
正しい名前と、届く入口は分けて考えるといいです。
はてなちゃん:
分ける。
トノエル:
たとえば、サービスの説明の中では「生前整理」という言葉を使ってもいい。
でも、最初の投稿や講座名では、もっと生活実感に近い言葉を使う。
はてなちゃん:
最初から正式名称で押し出さなくてもいいんですね。
トノエル:
そうです。
読者が最初に知りたいのは、サービスの正式名称ではありません。
はてなちゃん:
何を知りたいんですか?
トノエル:
自分に関係あるのか。
何がラクになるのか。
どんな困りごとが解決するのか。
今の自分が申し込んでいいものなのか。
はてなちゃん:
たしかに。
「これは私のためのものかも」と思えないと、先を読まないですね。
トノエル:
そうなんです。
読者は最初から
「私は生前整理をしたい」
とは思っていないかもしれません。
はてなちゃん:
でも、
「保険や書類がぐちゃぐちゃで、いざという時に家族が困りそう」
とは思っているかもしれない。
トノエル:
そう。
「パスワードを自分しか知らないのが不安」
「親の書類がどこにあるのか分からなくて心配」
「写真や思い出の品をどうしておけばいいか気になっている」
とは思っているかもしれません。
はてなちゃん:
そこに言葉を合わせるんですね。
トノエル:
はい。
それは価値を下げることではなく、価値が届く形にすることです。
誰に、どの入口で届けるか
はてなちゃん:
同じ生前整理でも、相手によって入口は変わりますか?
トノエル:
変わります。
はてなちゃん:
たとえば?
トノエル:
親のもしもに備えたい人なのか。
自分の書類や情報を整えたい人なのか。
子育て中で、家族に分かる状態を作りたい人なのか。
ひとり暮らしで、緊急時の情報共有に不安がある人なのか。
はてなちゃん:
たしかに、それぞれ気になるポイントが違いますね。
トノエル:
そうです。
親のことが気になっている人には、
「親に何かあった時、どの銀行を使っているか分かりますか?」
が響くかもしれません。
はてなちゃん:
はい。
トノエル:
子育て中の人には、
「自分が急に入院した時、家族は保険や学校関係の書類を出せますか?」
の方が近いかもしれません。
はてなちゃん:
ひとり暮らしの人なら?
トノエル:
「緊急時に連絡してほしい人や必要な情報を、誰かが分かる状態にしていますか?」
かもしれません。
はてなちゃん:
相手が違うと、言葉も変わりますね。
トノエル:
そう。
だから、まず見直したいのは、
「誰に、どの入口で届けるか」
です。
はてなちゃん:
テーマを変える前に、入口を見る。
トノエル:
まさに。
生前整理という言葉で反応する人もいます。
すでに終活に関心がある人なら、その言葉の方が届くこともあります。
はてなちゃん:
でも、まだ自分ごとになっていない人には、別の入口が必要。
トノエル:
そうです。
言葉を分解すると、届く形が見えてくる
はてなちゃん:
一人で考える時は、何からやればいいですか?
トノエル:
いきなりサービス名を考えない方がいいです。
はてなちゃん:
え、サービス名から考えがちです。
トノエル:
考えがちですよね。
でも、重いテーマほど、まず中身を分解した方がいいです。
はてなちゃん:
どう分解するんですか?
トノエル:
たとえば、生前整理なら、こうです。
はてなちゃん:
はい。
トノエル:
何を整理するのか。
誰が困らないためなのか。
どんな場面で役立つのか。
終わった後、暮らしはどうラクになるのか。
はてなちゃん:
なるほど。
トノエル:
そこから言葉を出していきます。
「大事な書類を一か所にまとめる」
「家族に共有しておきたい情報を見える化する」
「パスワードや保険の管理を整える」
「もしもの時に慌てないための暮らしの情報整理」
「自分も家族も困らないための書類とモノの整理」
はてなちゃん:
だいぶ具体的になりますね。
トノエル:
さらに、はてなちゃんのテーマなら、
「家族が判断に迷いやすい思い出の品を整理する」
「写真や日記の残し方を考える」
「自分にしか分からないモノの意味を見える化する」
という言葉も出てきます。
はてなちゃん:
こうやって分解すると、投稿の切り口も作れそうです。
トノエル:
そうなんです。
投稿も、
「生前整理を始めましょう」
だけではなくて、
「スマホのパスワード、家族は分かりますか?」
「保険の書類、必要な時にすぐ出せますか?」
「家族が見ても判断できない思い出の品、ありませんか?」
「写真に写っている人や場所、家族に伝わりますか?」
みたいにできます。
はてなちゃん:
それなら読者が、自分の暮らしから考え始められますね。
トノエル:
そう。
テーマ名ではなく、生活の場面から入るんです。
一人で考えると、テーマの価値まで疑ってしまう
はてなちゃん:
でも、こういう言葉の見直しって、一人だと難しそうです。
トノエル:
難しいです。
自分が大事だと思っているテーマほど、自分では当たり前になっていますから。
はてなちゃん:
「生前整理って言えば分かるよね」って思ってしまう。
トノエル:
そう。
でも読者には、同じように見えていないことがあります。
はてなちゃん:
反応が薄いと、私、すぐ落ち込みそうです。
「やっぱり需要がないのかな」って。
トノエル:
そこも一人だと起きやすいです。
本当はテーマが悪いのではなく、入口の言葉を少し変えるだけで届きやすくなる場合もあるのに。
はてなちゃん:
テーマの価値まで疑ってしまうんですね。
トノエル:
そう。
だから、誰かと話すことで見えることがあります。
はてなちゃん:
どの言葉が重く感じるのか、とか。
トノエル:
はい。
どの具体例なら自分ごとになるのか。
どこを見せると「それ、私も困っていた」と思えるのか。
サービスの中身は変えずに、どの入口なら届きやすいのか。
はてなちゃん:
自分の頭の中だけだと、そこが見えにくいですね。
トノエル:
見えにくいです。
だから、テーマや言葉の出し方に迷った時は、相談できる場があると進みやすいです。
テーマを捨てるのではなく、届く形に整える
はてなちゃん:
今日の話を聞いて、ちょっと安心しました。
トノエル:
どのあたりがですか?
はてなちゃん:
「生前整理って重いかも」と思った時に、テーマごと捨てなきゃいけないのかなと思ってたんです。
トノエル:
うん。
はてなちゃん:
でも、そうじゃなくて、入口を変えればいいんですね。
トノエル:
そうです。
見直すべきなのは、サービスの価値ではなく、最初に見せる言葉かもしれません。
はてなちゃん:
生前整理は、ニーズがないわけじゃない。
トノエル:
はい。
ただ、「死の準備」「終活」という重たいラベルのままだと、今の自分に必要なこととして届きにくい場合があるんです。
はてなちゃん:
だから、
「いざという時に困らないための情報整理」
「家族が判断に困らないためのモノと情報の整理」
「パスワード・保険・書類・思い出の品の見える化」
みたいに、生活に近い言葉にする。
トノエル:
そうです。
それは言葉遊びではありません。
集客の小手先テクニックでもないです。
はてなちゃん:
じゃあ、何なんでしょう。
トノエル:
お客様が「これ、自分のことかも」と思える言葉に置き直すことです。
はてなちゃん:
ああ、その方が分かりやすいです。
トノエル:
届けたい価値があるなら、その価値が伝わる言葉に翻訳していく。
それも、整理収納を仕事にしていく上で大事な力だと思います。
はてなちゃん:
私、生前整理をやめなくていいんですね。
トノエル:
やめなくていいです。
ただ、そのまま重たいラベルで置くのではなく、相手が受け取れる形に整えていきましょう。
はてなちゃん:
はい。
「誰に、どの入口で届けるか」から考えてみます。
トノエル:
それがいいと思います。
言葉の入口が変わるだけで、サービスの見え方は変わります。
そして見え方が変わると、必要としている人に届く可能性も変わります。
まとめ
生前整理は、ニーズがないテーマではありません。
ただし、「生前整理」「終活」という言葉を最初に出すと、読者によっては重く感じたり、まだ自分には早いと思ったりして、入口で止まってしまうことがあります。
大切なのは、テーマを捨てることではなく、読者が受け取りやすい言葉に翻訳することです。
生前整理は、書類やデータだけの整理ではありません。
- パスワード
- 保険の情報
- 大事な書類
- 家族が判断に困るモノ
- 思い出の品
- 写真
- 日記
- 本人にしか意味や背景が分からないもの
こうした情報やモノを、家族が困らない形に整えておくことでもあります。
「生前整理を始めましょう」では遠く感じる人にも、
「家族が困らないように、パスワードや保険の情報をまとめておきませんか?」
「家族が判断に迷いそうな思い出の品を整理しておきませんか?」
と言うと、自分の暮らしに引き寄せて考えやすくなります。
言い換えることは、ごまかすことではありません。
価値を薄めることでもありません。
相手が受け取れる形に整えることです。
もし、生前整理や終活に近いテーマをサービスにしたいのに、言葉の出し方で迷っているなら、まずは問い直してみてください。
- 誰に届けたいのか
- その人は何に困っているのか
- どんな場面なら自分ごとになるのか
- どの言葉なら、今の暮らしに関係あると感じてもらえるのか
言葉の入口が変わると、サービスの見え方も変わります。
届けたい価値があるなら、その価値が必要な人に届く形へ、少しずつ翻訳していきましょう。

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